2021.02.02

女性のセカンドキャリア戦略のために必要なこと

「第二の人生における職業」といわれるセカンドキャリア。雇用の多様化が進む現代において、この言葉を耳にする機会も増えてきました。

日本大百科全書によれば、「会社員や公務員が定年退職後に、女性が出産や育児の後に、また、スポーツ選手が引退後などに従事する第二の職業のこと」と定義されています。会社員が定年後に、自分がこれまでやりたかったこととしてカフェや農家などの自営業を始める、資格を取得して観光ガイドとして活動する、あるいは引退したプロスポーツ選手が飲食店を始める、といった働き方をイメージしていただくと分かりやすいのではないでしょうか。

一方で、このような「定年後の働き方」というイメージに対し、近年は働き方の多様化に伴い「自分で選ぶ生き方・働き方」を広く指すように捉え方も変わって来ています。

ここでは、特に近年の女性活躍推進の流れと共に注目度が増している「女性のセカンドキャリア」にフォーカスして、自分にとってより良いセカンドキャリアを築いていくために必要なことについて考えていきたいと思います。

セカンドキャリアを考える上でのポイント

一般的に、セカンドキャリアは、結婚、出産、住居の購入、介護、転勤等の「ライフイベント」が訪れるタイミングで考え始める人が多いと言われています。自分の生活に変化が起きることで、「この変化は自分にとってどんな影響があるのだろう」「自分は、この変化をどう捉えていきたいのか」といったことに思いを巡らせるからです。セカンドキャリアに遅い・早いは無く、自分が考えたいと思った時、これがベストタイミングです。

セカンドキャリアを考えるために、具体的に何をすれば良いの?と思った方もいるのではないでしょうか。

大きくいうと、「準備」と「実践」の2つに分かれます。

「準備」は、自己分析を行ない、自分がやりたかったことやなりたかったことを思い出してみる、自分のスキルを棚卸しする、といったことです。

また、「実践」は、興味のあるコミュニティに登録して人脈を広げる、実際に副業をしてみるなどして、一歩を踏み出して自分に合う・合わない・ワクワクする・しないなどを肌で感じながら軌道修正していくプロセスです。

この2つを繰り返し行ない、軌道修正していくことで、自分が本当に望むセカンドキャリアへ一歩、また一歩と近づいていくことができますよ。

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セカンドキャリアを考えるときのポイント・見つけ方

女性のセカンドキャリアを充実させるためにできること

一般的に、女性は男性と比べて、結婚、出産、子育てなどにより、上記1で挙げたような「変化点」の影響を受けやすいと言えます。

下記のグラフは、平成30年間の女性の労働力人口の変化を示しています。

<出典: 総務省統計局 / 統計トピックスNo.119 統計が語る平成のあゆみ 2.労働 雇用の流動化

このグラフでは、女性の労働力人口が30代に減少し、20代と40代後半にピークを迎えるM字カーブが描かれています。

近年、このM字カーブのくぼみは徐々に緩やかに、台形に近づいており、また全体的に右(高年齢)に移動していて女性労働力人口の割合が増加していることが見て取れますが、女性が様々なライフイベントを経ながら仕事を続けることの難しさを表しているといえるでしょう。

では、こういった変化点と自身のキャリアをどう両立させていけば良いのでしょうか。

おすすめなのは、自分が希望する「ライフプラン」を組み立てることです。

具体的には、希望する結婚・出産の時期や子供たちの人数、あるいは、すでに子供がいる場合は、入学・卒業・就職の時期やその時の自分の年齢、そしてその時自分はどうなっていたいか、といった自分の人生における「大きなイベント・変化点」を書き出してみます。家族一人一人の名前を縦軸に、ライフイベントを横軸にして時系列で書き出すと分かりやすいでしょう。

こうして自分が望む生き方を可視化することで、「いつ頃までに、どのような準備をするべきか」「●●歳の時点でこういうセカンドキャリアを歩みたいと思うなら、逆算して、●●歳頃までにこういう経験をしておく必要がありそうだな。そのために、まずは●●について調べてみよう」というように、様々なライフイベントをうまく乗り越えながら「自分が目指したい姿」に向けて効率的に準備を進めていくための道すじが見えてきます。

こんな単純なことで、道すじなんて見えるの?と思われるかもしれません。

ですが、子供たちの小中高の入学・卒業の時期、受験するならその準備期間、大学、浪人するかも・・・などなど、子供にまつわるイベントを書き込むだけでも自分のライフプランは結構埋まってしまうことに、実際にやってみると驚かれると思います。

子供たちの動きをベースに、必要となる費用=自分の働き方を考えたり、子供たちの手が少し離れそうな時期に自分の仕事のピークを持ってくるように働き方のペースを置いたり・・・と、パズルをはめ込むような感覚で書いてみるだけでも、意外と十分に現実路線のライフプランができたりします。

もちろん、全てが思い通りに行くとは限りませんし、現時点で具体的な時期や数字を決めることが難しい場合もありますが、あくまでプランとして自分の意思を可視化してみることは、将来から逆算してこれからの過ごし方を考える上ではとても有効な一手です。

ぜひ一度、真っ白な紙に向き合って、自分のライフプランを書き出してみてください。きっと色々な発見や気づきが得られますよ。

様々な制度・仕組みを活用する

「人生100年時代」をむかえた現代では、リカレント教育=学び直しの必要性が強く意識され始めています。社会人になった後も生涯にわたってスキルや経験などを蓄積することで、転職・キャリアアップ・副業などの実現にも繋げられるため、働き方が多様化する現代においては大変重要な観点といえるでしょう。

女性の「学び直し」に対する最近の意識調査を見てみると、2018年にソフトブレーン・フィールドが行なった調査では、実に働く女性の66%が「学び直ししたいと思う」と回答しています。

<出典: (株)ブラーブメディア AMP / 「働く女性の、セカンドキャリアへ向けた“学び直し”の実態調査」>

また、学び直し経験者のきっかけや理由は、以下の通り、多岐に渡っています。
ジャンルは「資格の習得」「語学力」「OAスキル」などさまざまですが、このような結果からも、働き方・暮らし方が多様化する中において「学び直し」に対する人々のニーズが高まっていることがうかがえます

・「業務上必要になったから/今の業務のキャリアアップ」 42.3%
・「何歳になってもいろいろなことにチャレンジしたいから」 32.8%
・「就職・転職のため」 29.8%
・「副業のため」15.1%

<出典: (株)ブラーブメディア AMP / 「働く女性の、セカンドキャリアへ向けた“学び直し”の実態調査」>

リカレント教育を実際に受ける方法はいくつかありますが、主だったものとしては国の職業訓練や教育訓練、大学の社会人コースや通信教育課程が挙げられます。また、企業も自社の従業員向けに学習教材、大学と連携した教育サービス、eラーニングなど様々な形でリカレント教育を提供している場合があります。

個人でリカレント教育を受ける場合にぜひ知っておいていただきたいのが、一定条件を満たすと在職者でも助成金が受けられる「教育訓練給付制度」や、離職者を対象に様々な科目を無料で受講することができる「公共職業訓練」です。

特に後者は、全国のハローワークで求職活動をしており、雇用保険受給者であれば雇用保険の基本手当(失業給付)を受けながら職業訓練を受講できるため、経済的な不安を軽減しながら訓練に取り組めたり、子育て中の場合は子供を預けるための保育サービスの利用費の一部補助が受けられたりといったメリットがあります。

こういった制度もうまく活用すれば、キャリアを諦めることなく、スキルアップ・求職活動を両立させることができます。

気になった方は、ぜひ下のサイトもチェックしてみてくださいね。

厚生労働省 教育訓練給付制度 

厚生労働省 公共職業訓練(ハロートレーニング)

仕事と育児 カムバック支援サイト

また、民間の就労支援会社でも、「セカンドキャリア支援」制度を事業に取り入れているところもあります。

たとえばパソナグループでは、アスリートのキャリア支援を目的とした「パソナスポーツメイト」事業を展開していますが、その他にも人材派遣や、「女性仕事応援テラス」などの形で、子育てや介護と両立して働き続けたい女性の就職活動のサポートや職業紹介を行なっています。

様々な再就職サポートプログラムやセミナーを実施していますので、自身のセカンドキャリアを考える上で様々なヒントや気づきを得たい方は、ぜひこういった事業もチェックしてみてはいかがでしょうか。

女性仕事応援テラス(東京しごとセンター)

さいごに

近年の女性活躍推進の流れから、女性であることをもはや「ハンデ」とは感じない時代になりつつあると言えるかもしれません。

2019年には女性活躍推進法も改訂され、より女性が働きやすい環境づくりが国・社会全体で進められています。

ただ、実際には、「社内会議や研修の場で自分の意見を言い過ぎると、煙たがられる、嫌われる、と感じる」といった女性社員本人の声や、「女性社員は、優秀な人であっても、自分を過小評価してしまっている」といった管理職の声を聞くことも少なくありません。

まだまだ「女性」というだけで働きづらさを感じたり、組織の中でうまく立ち回るために無意識のうちに空気を読む、遠慮する、ブレーキをかける・・・といった状況と向き合ったりしながら働いておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

でもだからこそ、セカンドキャリアは自分のやりたいことにチャレンジしてみるチャンスともいえます。

やりたいことをやって毎日を生き生きと過ごすことが、人生後半戦の充実に繋がっていくと考えると、セカンドキャリアがとてもキラキラした、楽しみなものに思えてきませんか?

そのためにも、自己分析・キャリアの棚卸し・ライフプランの書き出し、また様々な制度のチェックなど、ぜひ興味の湧いたものから、少しずつ取り組んでみてくださいね。

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